場面緘黙症

場面緘黙症(選択性緘黙症)とはどんな病気なのか?症状やチェックリストも教えます

場面緘黙症(選択性緘黙症)とは?
赤松アズミ
赤松アズミ
教室で本を読む時とかって緊張するよな。
だってクラス中の注目が一気に集まるしさ。
レム
レム
それ分かる!緊張するよね~。
でも、ボクの幼少期はもっとひどかったよ。
赤松アズミ
赤松アズミ
どんな風にひどかったんだ?
レム
レム
幼稚園とか小学校とかに行っても、
ほとんど喋れなかったんだよね。
赤松アズミ
赤松アズミ
必要最低限しか喋らなかったってことか?
レム
レム
それどころか一言も喋らない時もあったくらいだよ。
赤松アズミ
赤松アズミ
うう…それはキツいな…
レムってそこまで大人しい性格だってのか?
レム
レム
その時は性格だと思ってたんだけど、
後で「ある症状」の影響だと分かったんだよ。
今回はそれを話していくことにするよ。

私は幼い頃、人と喋ることがとても苦手でした。

家の中では普通に家族と喋ることはできるけど、
幼稚園に行くと急に喋ることができなくなる…

そんな性格をした男の子だったのです。

単なる内弁慶な性格なのかな?と思っていたのですが、
実は病気だということを最近になって知りました。

場面緘黙症(選択性緘黙症)とは?

赤松アズミ
赤松アズミ
家では喋れるのに外では喋れない…
本当にそんな病気があるのか?
レム
レム
信じてもらえないかもしれないけど、
これはれっきとした病気なんだよ。

私が幼少期に発症していたのは「場面緘黙症(選択性緘黙症)」という病気です。

Wikipediaにも記事が載っているれっきとした不安障害の一つです。

場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)、選択性緘黙(せんたくせいかんもく、英: Selective Mutism,SM)とは、家庭などでは話すことが出来るのに、社会不安(社会的状況における不安)のために、ある特定の場面・状況では話すことができなくなる疾患である。 幼児期に発症するケースが多い。

やはり、幼少期(2歳~5歳)に発症することの多い病気のようですね。

場面緘黙症の特徴や症状

赤松アズミ
赤松アズミ
場面緘黙症って性格じゃないんだな。
レム
レム
ボクも性格だと思っていたんだけど、
後になって病気の一つだと分かったんだ。

場面緘黙症の症状としては以下のようなものがあげられます。

・家では話せるけど、幼稚園や学校では話せない
・家族とは話せるけど、クラスメイトや先生とは話せない
・外では主にジェスチャーや頷いたりして意思表示をする

分かりやすく言えば、RPGの主人公みたいな感じです。

彼らは喋ることなく、ジェスチャーや頷きで意思表示をしていますよね。

レム
レム
ドラクエの勇者も場面緘黙症なのかもしれないね。

一言も言葉を発することなく仲間を作って世界を救うので、
自分も勇者と同じように喋らずに目標達成できるのでは?
なんて思っていた時期もありました…はい…

私の緘黙ヒストリー

赤松アズミ
赤松アズミ
でも、レムが場面緘黙症だったって信じられないな。
ブログのネタのために嘘ついてるんじゃないか?
レム
レム
さすがにこんな嘘をつくわけないでしょ…
こりゃ幼少期に遡って語るしかなさそうだね。

「緘黙ヒストリー」と題して、私のこれまでの経緯を説明させて頂きます。

幼稚園児時代

幼稚園の時が私の場面緘黙症のピークだった気がします。

突然、幼稚園という閉ざされた世界に放り込まれるのは、
陸から海に突き落とされるのと大差ないでしょう。

水中にいると息ができなくなりますよね。そんな感じです。

「喋らない変なヤツ」と思われていたので、男の子の友達はできず、
仕方なく女の子の中に入れてもらって遊んでもらっていました。

今となっては遊んでくれた女の子たちには感謝していますが、
当時は男の子の友達がいないことがコンプレックスでした。

小学生時代

小学校になると症状は少しずつ改善されていきます。

初めて男の子の友達ができるようになったのです。

彼らとは普通に言葉でコミュニケーションを取ることができるようになります。

しかし、あまり仲の良くないクラスメイトとは喋ることができず、
ジェスチャーや頷いたりして意思表示をすることがほとんどでした。

小学6年生くらいになるとようやく言葉を発する機会も増えてきて、
このまま無口な自分とおさらばできるか?と思っていたのですが、
まさかの暗黒時代が到来することとなります。

中学生時代

中学生になると他の小学校から知らない子がたくさん入学する…

私の在籍していた小学校からもほとんどの生徒が進学するので、
今までの自分を知っている人も多いという複雑な環境となります。

これらが合わさったせいか不安になり、より暗い性格になりました。

ジェスチャーや頷きで意思表示をするのはまずいと思うようになり、
何か言われた時は「うん」などと口で答えるようになっていたので、
ただの暗いヤツみたいな認識をされていたかと思います。
(勿論、自分から話しかけることはありませんでした。)

私の人生で中学生時代が一番暗かったような気がします。

高校生時代

高校生になると、ついに光が差し込みます。

このままじゃダメだ!!という焦りが芽生えてきて、
次々と新しいことに挑戦して自分を変える努力をしました。

普通にコミュニケーションを取ることもできるようになっていました。

卒業写真を見ても中学生の頃とは全然雰囲気が違います。

中学生の時は暗くてどよ~んとしていたのですが、
高校生になるとちょっとイケてる雰囲気になっています。

確実に何かが変わったように感じました。

場面緘黙症の度合いを診断できるチェックリスト

赤松アズミ
赤松アズミ
自分で場面緘黙症か判断するのは難しいよな。
調べる方法ってないのか?
レム
レム
度合いを診断できる方法はあるよ。
気になるならチェックしてみるといいよ。

場面緘黙症かどうかを診断できるチェックリストがありました。

こちらのサイトに載っているので、一度チェックされてみてはいかがでしょうか?

1.家では流暢に話すことができるのに、特定の場面や場所で話さない
2.先生や近所の人など、特定の人とうまく話せない
3.見知らぬ人に話しかけられると応えられない
4.特定の場所に行くと、じっとして動かないことがある
5.話すことを求められると頑なに拒否する
6.指さし・頷くなど、言葉以外で意思表示をすることがある
7.他人との関わりを避ける傾向にある
8.家庭以外の場所であまり感情を表に出さない
9.家庭以外の場所で緊張感や不安感が強い
10.自己主張が少なく、目立たないほうだ
11.どちらかと言えば慎重な性格だ
12.保育園や学校などで1ヶ月以上話さないことがある

「はい」の数が多ければ多いほど場面緘黙症である可能性が高くなります。
(幼少期の私を投影して診断した結果、ほぼ全て当てはまっていました…)

特に以下の2つの質問は要注意ポイントです。

1.家では流暢に話すことができるのに、特定の場所や場面で話さない
6.指さし・頷くなど、言葉以外で意思表示をすることがある

この2つに該当すれば確実に場面緘黙症だと言えるでしょう。

幼稚園児の時の私はまさにそれでしたからね。

家の中ではお喋りなのに外に出ると急に無口になる…
伝えたいことがあっても口に出せないのでジェスチャーで伝える…

これらは場面緘黙症特有の症状ではないかと思います。

いろいろな人たちの場面緘黙症の体験談

赤松アズミ
赤松アズミ
レム以外に場面緘黙症だった人っていないのか?
レム
レム
場面緘黙症で悩んでいる人は結構多いよ。
今から紹介していくね。

場面緘黙症を発症している人や克服した人を取り上げたいと思います。

動画で学ぶ場面緘黙症

場面緘黙症の人を特集した動画もあるので、ご覧ください。

まずは「みいちゃんの夢 世界一12歳のパティシエ」という動画です。

みいちゃん(杉之原みずきちゃん)という女の子を特集しています。

みいちゃんはお菓子づくりを始めたことをきっかけに、
「パティシエになってお店を開く」という夢ができます。

いろいろな人が応援してくれてみいちゃんの夢が叶うのですが、
「社会適応訓練も兼ねている。少しづつ社会に慣れていってほしい。」
…というお母さんの想いが秘められていたのが印象的ですね。

場面緘黙症のお子様をお持ちの親御さんたちに見てほしい動画です。

続いては「声なき声~場面緘黙症の女性たち」という動画です。

高校3年生のひろみさんは保育園の時は先生と話せないというだけでしたが、
小学校1年生の時に同じクラスの男子にからかわれたことがきっかけで、
同級生とも喋ることができなくなってしまったのだそうです。

あることがきっかけで発症してしまうケースもあるのですね…

他にも場面緘黙症を題材にした動画が数多くアップロードされています。

YouTubeで「場面緘黙症」と入力して検索してみてくださいね。

本で学ぶ場面緘黙症

場面緘黙症の体験談をまとめた本も出版されているので、
理解を深めたい方は読んでおくことをおすすめします。

らせんゆむさんの「私はかんもくガール」という本は、
作者自らの場面緘黙症の体験談を漫画にして再現されています。

場面緘黙症の症状は文字だけだと伝わりにくいかもしれません。

ですが、この本は漫画で再現されているので分かりやすく、
場面緘黙症特有の感覚もインストールしやすいかと思います。

勿論、個人の体験談ではない本(症状を解説した本)もあります。

そのような本も場面緘黙症を学ぶのに有効的です。

これらの本を全国の学校や図書館に積極的に置いて欲しいですね。
そして、場面緘黙症への理解が深まっていけばいいなと思っています。

個人ブログで学ぶ場面緘黙症

ブロガーさんで場面緘黙症の体験談を執筆されている方もいらっしゃいます。

Sakiさんというブロガーさんです。

・場面緘黙症を発症した理由
・場面緘黙症を乗り越えた方法
・場面緘黙症と失語症の違い

…などご自身の場面緘黙症の経験をまとめられています。

Sakiさんは中学生の時に場面緘黙症の症状を改善されたものの、
その後も後遺症が出てくることも多かったのだそうです。

ですが、後遺症が出ないようにするため壮絶な努力をされています。

・バンド活動
・接客業
・海外留学

…など人見知りにとってハードルの高い環境に積極的に飛び込んで、
症状を完全になくそうと努力をされていたところは本当に凄いです。

このチャレンジ姿勢は私も見習いたいと思います。
(私はどっちかというと逃げることが多かったので…)

Sakiさんは今ではニュージーランドに在住されているとのことです。

場面緘黙症で悩んでいる方は参考にされてみてはいかがでしょうか?

場面緘黙症の人たちが交流できる場所

赤松アズミ
赤松アズミ
やはり、周りの理解は必要だな。
情報交換ができるところってないのか?
レム
レム
場面緘黙症の人を支援している団体を紹介するね。
条件を満たせば、交流もできるようになるよ。

場面緘黙症の理解促進を目的とした団体も存在します。

その一つが「かんもくネット」というウェブサイトです。

個別での支援や医療施設などの紹介は行っていないみたいですが、
会員になることで、会員掲示板が利用できるようになったり、
地域のおしゃべり会に参加できるようになったりします。

※近年も2ヶ月に1回のペースでおしゃべり会が開催されています。
(現在、おしゃべり会は主にオンラインでの開催となっています。)

情報交換をしたい方は、会員になってみるのもいいかもしれませんね。

場面緘黙症を克服する方法はあるのか?

赤松アズミ
赤松アズミ
レムはどうやって場面緘黙症を克服したんだ?
レム
レム
ボクの場合は環境の変化を利用したり、
特技を披露したりして克服したよ。

場面緘黙症のままでは制限が多いので、生活が不便になります。

だから克服するための方法を模索していきましょう!!

高校生&大学生デビュー

場面緘黙症を克服するために最適の環境があります。

それは「今までと違う環境」を利用することです。

高校や大学デビューが分かりやすい例でしょうね。

なぜなら「それまでの自分を知っている人が少なくなる」からです。

ただし、一気に自分を変えようとするとかえって失敗しやすいです。

自分を変えるためのきっかけが訪れるかと思いますので、
それに乗ってゆっくりと克服していくのがベストでしょうね。

特技を生かす

特技を生かすのも性格を変えるのに有効です。

私は子供の頃からものまねが大好きでした。

このものまねというのは自分を飛躍させる可能性を秘めています。

喋らずに笑いを取ることができるジャンルのお笑いだからです。

例えば、野球選手のフォームや格闘ゲームの動きなどは、
喋ることなく動きだけでものまねできちゃいますよね。

だけど、ただ動きだけ真似ても誰の真似をしているか分からないので、
あらかじめ「○○の真似をしま~す」と言っておく必要があります。

真似する人の名前などをフリップなどに書いたりしておくといいでしょう。

友人の前で何回も積み重ねてある程度の結果を出していけば、
形態模写から声帯模写へ移行しても受け入れてもらえるはずです。

私は芸能人や学校の先生のものまねにドハマりしました。

特に歌手のものまねができるようになれば、
カラオケに行った時に大活躍できますよ。

とにかく自信を持つことも重要なポイントなのです。

環境を整える

私は場面緘黙症の症状を家族には隠していました。
(授業参観や三者面談の時はヒヤヒヤしましたね…)

だから自分で努力して克服するしかありませんでしたが、
自分の力だけではどうにもならない方も多いかと思われます。

そんな時は周りの人にサポートしてもらう必要があります。

・症状についてしっかりと理解してあげること
・本人が安心できる環境を作ること
・人との交流などをサポートしてあげること

やはり、両親や学校の先生の理解は必要だと思います。

場面緘黙症で悩んでいるお子様などがいらっしゃる場合、
第一歩を踏み出せるように環境を整えてあげましょう。

少しずつ前へ歩いていけるように背中を押してあげてほしいです。

まとめ

レム
レム
場面緘黙症について理解してもらえたかな?
赤松アズミ
赤松アズミ
ああ、大変な病気だって分かったよ。

今回の記事をまとめるとこんな感じです。

・場面緘黙症は性格ではなく病気である
・幼少期に発症しやすい
・環境を整えることが克服の近道

やはり、周りの人たちのサポートが重要となるでしょうね。

場面緘黙症(選択性緘黙症)についての理解が深まり、
苦しむ人が減ってくれればいいなと思っています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)